前置き
アニメの撮影に限ったことではありませんが、コンポジット作業においては少なからず定形作業があるかと思います。
アニメのキャラ処理なんていえば、その最たるものです。
面倒くさいですよね、キャラ処理。
単純に、エフェクトの組み合わせだけであればアニメーションプリセットに登録すれば事足ります。
が、複数のレイヤーを跨いだり、プリコンポーズしたり、トラックマットを設定したりしようとすると、途端に大変になります。
AEにはアクションがありません。
その為、こういった作業を自動化しようとすると大抵スクリプトを組むという判断になります。
えっ? キャラごとに? スクリプトを? 組むの? まじで?
まぁ多少は色々工夫は出来るようです。エフェクトを適用するスクリプトを吐き出してくれるスクリプトなんて凄いものもありますし、アニメーションプリセットとの合わせ技を使うとか。
いやでも根本的に面倒くさい。
概要
AEって.aepをプロジェクトに読み込めます。
つまり、あらかじめキャラ処理の組み合わせを設定した.aepを作っておき、それを読み込んで、
ソースレイヤーと最終出力が出るコンポを差し替えれば、それで事足りるということに気づきました。遅い。
それに関しては、以下の記事の「セル処理スクリプト」の記述で気づくに至り、参考にスクリプトを作成しました。
多分、この認識であってるんじゃないかと思います。
使い方
テンプレート.aepの作成
.aepの中には以下が存在する必要があります。
- 入力指定レイヤー
- 出力コンポジション
「入力指定レイヤー」とは
- ソース名(レイヤー名では無く、プロジェクトパネルで設定する方)に「in_1」や「in_2」と設定したレイヤーです。
- それぞれ、末尾の整数はスクリプト実行時の選択順を表します。
- 例えば「in_2」レイヤーは、スクリプト実行時に2番めに選択していたレイヤーに差し替えられます。
- 平面レイヤー、フッテージ(連番や動画)でもかまいません。
(どちらにせよ.aepインポート時には削除されます) - 「in_」という文字指定は、設定から変更できます。
「出力コンポジション」とは
- ソース名(レイヤー名では無く、プロジェクトパネルで設定する方)に「out」と設定したコンポジションです。
- 最終出力のコンポジションを表します。
- 「out」コンポは.aepの中に1つです。
- スクリプト実行時に選択していた1枚目のレイヤーの位置に配置されます。
- 「out」という文字指定は、設定から変更できます。
スクリプトの実行
1 差し替えたいレイヤーを選択します
複数選択できます。
1枚めに選択していたレイヤーが「in_1」、2枚めにに選択していたレイヤーが「in_2」の位置に差し替えられます。
2 スクリプトを実行します
ファイルを開くダイアログが開きます。
ここで作成した.aepを選択してください。
3 適用されます
選択したレイヤーは無くなり、代わりに出力コンポが配置されます。
出力コンポを開くと、入力指定レイヤーが選択レイヤーに差し替えられた状態の、テンプレート.aepの構造になっているはずです。
補足
インポートした.aepについて
「Fx」フォルダを作成し、そこに格納します。(名称は設定から変更できます)
既に存在する場合は、そこに格納します。
「Fx」フォルダを作る階層は設定から変更できます。
ルート(最上位)を"0"として、1枚めの選択レイヤーを含むフォルダの階層までの数で表現します。
デフォルトは"0"です。
インポートしたコンポやレイヤーのサイズ、デュレーションについて
原則、1枚目の選択レイヤーと一致させます。(設定から無効にできます)位置やアンカーポイントはリセットされます。
インポートした入力指定レイヤーや出力コンポの名称について
ソース名は差し替えた後のフッテージの名称になります。
レイヤー名は維持されます。
エクスプレッションについて
ただし差し替え時に自動で修正が入ります。
例えば「comp("out")」のように指定したエクスプレッションは、差し替え後のコンポジション名に修正されます。たまに修正されないことがあるのがよく分からん。
設定から無効に出来ます。
設定について
設定はスクリプトをESTKなりメモ帳なりで開いて編集して下さい。GUIなど無い。
ダウンロード
動作確認 Windows10 / AfterEffects CC2018 / 日本語版
AEP Routine Work v1.10 (2018.02.15) 機能追加
AEP Routine Work v1.00 (2018.02.11) 初版
自己責任でご使用下さい。
バグや仕様が変など、言いたいことがありましたらご連絡頂けると幸いです。(直せるとは言っていない)
バグや仕様が変など、言いたいことがありましたらご連絡頂けると幸いです。(直せるとは言っていない)