概要
このスクリプトは、AfterEffectsにおけるカットの初期構築の一連の流れを自動化するものです。主にアニメ撮影用途を想定しています。
機能は主に以下の通りです。
- フッテージの一括インポート(フォルダ階層を維持・指定のフォルダに纏める)
- コンポジションの作成/設定変更
- インポートしたフッテージの配置
- インポートしたフッテージ/既存フッテージのソート
- インポートしたフッテージ/既存フッテージのリネーム
- 既存フッテージのリプレース
- 既存フッテージの削除、プレースホルダ化
- 既存コンポジション/フッテージのサイズ変更
- 既存コンポジション/フッテージのデュレーション変更
- 撮影台の作成
- リネーム、リプレース、サイズ・デュレーション調整において、[対象のフィルター設定]、[Stageコンポ外の範囲設定]を追加
- リプレースにおいて、[リプレースされたフッテージソースの削除機能]、[リプレースされなかったフッテージソースのプレースホルダ化機能]の追加
- インポートフッテージを[指定フォルダに纏める(非階層化)]オプションの追加
- その他、GUIの整理、細かい機能追加、仕様変更
手順
- スクリプトを実行します。
- 諸々の設定画面が出ます。(内容については後記)
[Start]をクリックします。 - フォルダの選択画面が開きます。
カットフォルダを選択して[OK]をクリックします。 - 読込画面が開きます。進捗が表示されます。
- 完了画面が開きます。フォルダ/ファイルのインポート結果、およびリプレース結果の一覧が表示されます。
[OK]をクリックして閉じます。
フッテージが配置された状態のコンポジションが作成されます。
設定
全体
設定は以下のタブから行います。
UIの配置順と処理の流れはほぼ一致しており、
左から右へ、または上から下へ順番に処理が進みます。
UIの配置順と処理の流れはほぼ一致しており、
左から右へ、または上から下へ順番に処理が進みます。
- Importタブ
フッテージのインポートに関する設定 - Compタブ
フッテージを並べるコンポジション、撮影台の設定 - Renameタブ
インポートフッテージ、既存のフッテージのリネームの設定 - Placeタブ
インポートフッテージの配置、既存のフッテージのリプレースに関する設定 - Adjustタブ
既存のレイヤーのサイズ、デュレーションの設定 - Sortタブ
Stageコンポ配下のレイヤーのソートの設定 - Optionタブ
その他の設定
- 設定のデフォルト値は一見、不思議かもしれませんが、「大体このような使い方をするのではないかな」、という参考値が入っています。
- 一部GUI要素については、マウスオーバーすると説明が出ます。
- 設定値は「Start」クリック時に保存されます。
Importタブ
フッテージのインポートやリネーム、フォルダ階層に関する設定を行います。
Import

- 以下のフォルダ名をインポートしない(正規表現)
インポートしたくないフォルダがある場合、有効にします。 - 入力欄
インポートしたくないフォルダ名を正規表現で指定します。
カットフォルダ配下にコンポジットで必要ないフォルダがある場合指定してください - 入力欄
上記正規表現のフラグを指定します。例)
大文字小文字を区別しない場合「i」
すべて一致の場合「g」 - 以下のファイル名をインポートしない(正規表現)
インポートしたくないファイルがある場合、有効にします。 - 入力欄
インポートしたくないファイル名を正規表現で指定します。
カットフォルダ配下にコンポジットで必要ないファイルがある場合指定してください。
拡張子を指定する場合が多いかもしれません。 - 入力欄
上記正規表現のフラグを指定します例)
大文字小文字を区別しない場合「i」
すべて一致の場合「g」 - PSD読込形式
PSDファイルを読み込んだ時の形式を選択できます。・クロップされたコンポジション
・フッテージ
インポートフッテージを格納するフォルダ
- ドロップダウン
インポートしたフッテージをどこに格納するかを以下から選択します。・読み込み元のフォルダ構造を維持
⇒読み込み元フォルダ名でフォルダを作成し、その配下はフォルダ構造を維持します。
・指定したフォルダにまとめる
⇒下の[フォルダ名]で指定した名称でフォルダを作成し、その配下にフラットに格納します。既にプロジェクト内に該当フォルダ名がある場合、統合します。
.aepを使いまわし、リプレースを行う場合、こちらがオススメです。 - フォルダ名
[指定したフォルダにまとめる]の場合の、フォルダ名を定義します。
#[読み込み元のフォルダ構造を維持]の場合は、読み込みフォルダ名で固定です。
Compタブ
フッテージを配置するコンポジションの設定を行います。
以後このコンポジションを「Stageコンポ」と記載します。
以後このコンポジションを「Stageコンポ」と記載します。
Stageコンポ
- 新規作成 / 選択コンポを使用
フッテージを配置するコンポを選択します。
・新規に作成する場合、「新規作成」
・既存を使用する場合、「選択コンポを使用」
#選択コンポは、スクリプト実行時に選択していたコンポが使われます。
#スクリプト実行時、必ず「新規作成」が選択されます。 - 設定変更(選択コンポを使用時のみ表示)
選択コンポの設定を下段で変更したい場合チェックを入れます。
#スクリプト実行時、必ずチェックはオフになります。 - Name
コンポ名を入力します。
任意の文字列と以下の識別子を使用できます。・{cut}カットフォルダ名
- Size
コンポのサイズを選択します。以下の選択肢から選択します。・カスタム
⇒任意の横幅、縦幅、ピクセル縦横比を入力します。
・最大フッテージ(インポート)
⇒インポートしたフッテージ中の縦横それぞれの最大値を使用します。
・DCI-4K (4096×2160,1.0)
・UHD-4K (3840×2160,1.0)
・Full-HD (1920×1080,1.0)
・Half-HD (1280×720,1.0) - Duration
コンポのデュレーションを選択します。以下の選択肢から選択します。・カスタム
⇒任意の長さ(秒数+コマ数)を入力します。
・最長フッテージ(インポート)
⇒インポートしたフッテージ中の最大値を使用します。
・最長フッテージ(インポート)×2
⇒インポートしたフッテージ中の最大値を2倍します。
・最長フッテージ(インポート)×3
⇒インポートしたフッテージ中の最大値を3倍します。 - FPS
コンポのフレームレートを入力します。 - 指定したフォルダに格納する
Stageコンポを指定のフォルダ名に格納します。該当名称のフォルダが存在しない場合、新規作成します。 - フォルダ名
上記フォルダ名を定義します。
レンダリング対象
- 使用しない / 撮影台
撮影台を使用する場合、「撮影台」を選択します。
作成すると、アニメ撮影でよく使用される撮影台がセットアップされます。どのようにセットアップされるか
※撮影台作成に関しては「dA-tools.com」様の「Cam Stand SetUp」のコードを勝手にそのまま使わせて頂いております。この場を借りてお礼申し上げます。
Stageコンポは撮影台コンポ内にネストされます。また、Stageコンポに「camera」というフレームが作成され、そのフレームを操作することで、撮影台コンポでの構図を調整できます。撮影台コンポが最終出力となります。 - Name
撮影台のコンポ名を入力します。
任意の文字列と以下の識別子を使用できます。・{cut}
⇒ カットフォルダ名 - Size
撮影台コンポのサイズ(つまり最終出力のサイズ)を選択します。以下の選択肢から選択します。・カスタム
⇒任意の横幅、縦幅、ピクセル縦横比を入力します。
・DCI-4K (4096×2160,1.0)
・UHD-4K (3840×2160,1.0)
・Full-HD (1920×1080,1.0)
・Half-HD (1280×720,1.0) - 指定したフォルダに格納する
撮影台用コンポを指定のフォルダ名に格納します。該当名称のフォルダが存在しない場合、新規作成します。 - フォルダ名
上記フォルダ名を定義します。
Renameタブ
インポートフッテージ、既存のフッテージのリネームの設定を行います。
インポートフッテージ
- インポートフッテージのソース名を変更する
インポートしたソース名を変更する場合、有効にします。 - 入力欄
リネーム規則を指定します。
任意の文字列と以下の識別子を使用できます。・{name_seq_ext}
⇒ファイル名(変更なし)
・{name_seq}
⇒ファイル名(拡張子を除く)
・{name}
⇒ファイル名(連番+拡張子を除く)
・{.}
⇒ファイルの親フォルダ名
・{..}
⇒{.}の親フォルダ名
・{...}
⇒{..}の親フォルダ名
・{....}
⇒{...}の親フォルダ名
・{.....}
⇒{....}の親フォルダ名
・{cut}
⇒カットフォルダ名フォルダパス、ファイル名は、Aeプロジェクト内ではなく、実際のファイルの物であることに注意してください。
- ヘルプ
上記の識別子を表示します。
既存フッテージ(選択コンポを使用時のみ有効)
- 既存フッテージのソース名・レイヤ名を変更する
既存フッテージのソース名・レイヤ名を変更する場合、有効にします。 - 範囲
範囲を選択します。・Stageコンポ配下
⇒ネストされた階層も範囲内です。
⇒Stageコンポ自体は範囲内ではありません。
・Stageコンポ含む階層全体
⇒ネストされた階層も範囲内です。
⇒最上位コンポやStageコンポ自体も範囲内です。
⇒Stageコンポ含むコンポが複数ある場合、すべてが範囲内となります。 - 対象
対象をフィルターします。
動画、静止画、連番などの条件が設定できます。
加えて、[パスと一致(正規表現)]を設定することができます。
⇒上記対象かつ、フッテージパスが正規表現に一致したものを対象とします。
フッテージパスは、ファイルパスではなくAeプロジェクト内のパスであることに注意してください。 - 規則
リネーム規則を指定します。
任意の文字列と以下の識別子を使用できます。・{name_seq_ext}
⇒ファイル名(変更なし)
・{name_seq}
⇒ファイル名(拡張子を除く)
・{name}
⇒ファイル名(連番+拡張子を除く)
・{.}
⇒ファイルの親フォルダ名
・{..}
⇒{.}の親フォルダ名
・{...}
⇒{..}の親フォルダ名
・{....}
⇒{...}の親フォルダ名
・{.....}
⇒{....}の親フォルダ名
・{cut}
⇒カットフォルダ名フォルダパス、ファイル名は、Aeプロジェクト内ではなく、実際のファイルの物であることに注意してください。
- ヘルプ
上記の識別子を表示します。
Placeタブ
インポートフッテージの配置、既存のフッテージのリプレースに関する設定を行います。
既存フッテージの置き換え(選択コンポを使用時のみ有効)
- インポートフッテージへ置き換える
既存のフッテージを、インポートしたフッテージと置き換える場合、有効にします。 - 範囲
範囲を選択します。・Stageコンポ配下
⇒ネストされた階層も範囲内です。
⇒Stageコンポ自体は範囲内ではありません。
・Stageコンポ含む階層全体
⇒ネストされた階層も範囲内です。
⇒最上位コンポやStageコンポ自体も範囲内です。
⇒Stageコンポ含むコンポが複数ある場合、すべてが範囲内となります。 - 対象
対象をフィルターします。
動画、静止画、連番などの条件が設定できます。
加えて、[パスと一致(正規表現)]を設定することができます。
⇒上記対象かつ、フッテージパスが正規表現に一致したものを対象とします。
フッテージパスは、ファイルパスではなくAeプロジェクト内のパスであることに注意してください。 - 基準
置き換え対象の検索基準を選択します。この基準で、インポートフッテージと既存フッテージを比較し、一致した際にソースを置き換えます。
#意図したレイヤーを対象とするため適宜、「インポートのリネーム」と「既存フッテージのリネーム」を使用して、レイヤー名を揃えることを想定しています。・レイヤー名(完全に一致)
⇒レイヤー名を比較します。
・レイヤー名(大/小を無視)
⇒レイヤー名を比較します。大文字小文字の違いを無視します。
・レイヤー名([連番]・拡張子を除く)(完全に一致)
⇒[連番].拡張子を除いたレイヤー名を比較します。
・レイヤー名([連番]・拡張子を除く)(大/小を無視)
⇒[連番].拡張子を除いたレイヤー名を比較します。大文字小文字の違いを無視します。 - 置き換えられたフッテージのソースを削除
新しいファイルに置き換えられた後、プロジェクト内に残っている元ファイルを削除します。
⇒プロジェクトが整理され、ファイル管理がしやすくなります。 - 置き換えられなかったフッテージのソースをプレースホルダ化
置き換え先のファイルがない場合に、そのフッテージを仮素材(プレースホルダー)に変換します。
⇒プロジェクトのコンポジション構造を崩さずに維持できます。後から素材を差し替える際も、プレースホルダーをターゲットにすればよいため効率的です。
インポートフッテージの配置
- インポートフッテージをStageコンポの直下に配置
インポートしたフッテージをStageコンポ直下に配置する場合、有効にします。 - 置き換えたフッテージを除く([既存フッテージの置き換え]有効時のみ表示)
上段の「既存フッテージの置き換え」により、一度でも置き換えに使用されたインポートフッテージを除きます。
Adjustタブ
既存のレイヤーのサイズ、デュレーションの設定を行います。
サイズ(選択コンポを使用時のみ有効)
- アイテムのサイズを調整する
アイテムのサイズを変更する場合、有効にします。 - 範囲
範囲を選択します。・Stageコンポ配下
⇒ネストされた階層も範囲内です。
⇒Stageコンポ自体は範囲内ではありません。
・Stageコンポ含む階層全体
⇒ネストされた階層も範囲内です。
⇒最上位コンポやStageコンポ自体も範囲内です。
⇒Stageコンポ含むコンポが複数ある場合、すべてが範囲内となります。 - 対象
対象をフィルターします。
動画、静止画、連番などの条件が設定できます。
#「コンポ」以外の場合、スケールが変更されることに留意してください。(サイズを変更することが出来ない為) - 基準
変更するサイズを選択します。以下から選択できます。
・Stageコンポと一致
⇒Stageコンポのサイズと合わせます。
・最大フッテージ(インポート)
⇒インポートしたフッテージ中の縦横それぞれの最大値を使用します。 - 位置/アンカーポイントをリセット
位置とアンカーポイントの値をリセットします。キーフレームも削除されます。
デュレーション(選択コンポを使用時のみ有効)
- アイテムのデュレーションを調整する
アイテムのデュレーションを変更する場合、有効にします。 - 範囲
範囲を選択します。・Stageコンポ配下
⇒ネストされた階層も範囲内です。
⇒Stageコンポ自体は範囲内ではありません。
・Stageコンポ含む階層全体
⇒ネストされた階層も範囲内です。
⇒最上位コンポやStageコンポ自体も範囲内です。
⇒Stageコンポ含むコンポが複数ある場合、すべてが範囲内となります。 - 対象
対象をフィルターします。
動画、静止画、連番などの条件が設定できます。 - 基準
変更するサイズを選択します。以下から選択できます。
・Stageコンポにあわせる
⇒Stageコンポのサイズと合わせます。
・最大フッテージ(インポート)
⇒インポートしたフッテージ中の縦横それぞれの最大値を使用します。 - タイムリマップをリセット
タイムリマップを削除します。
インポートフッテージの配置既存フッテージの置き換え
- インポートフッテージをStageコンポの直下に配置
インポートしたフッテージをStageコンポ直下に配置する場合、有効にします。 - 置き換えたフッテージを除く([既存フッテージの置き換え]有効時のみ表示)
上段の「既存フッテージの置き換え」により、一度でも置き換えに使用されたインポートフッテージを除きます。
Sortタブ
- Stageコンポ直下のレイヤーをソートする
Stageコンポ直下にあるレイヤーをソートする場合、オンにします。
上から正規表現にマッチした順で並んでいきます。
一致しなかったものはその下に並びます。 - 基本順序
昇順か降順を選択します。
例えば、Aが下なら降順、逆なら昇順です。 - ソート基準
正規表現と比較する文字列を設定します。
ドロップダウンから以下を選択できます。・レイヤー名
#v2.5からレイヤー名のみになりました。 - 正規表現
比較する文字列を正規表現で指定します。
複数行ありますが、上の行で指定したものから順に並んでいきます。
チェックを入れた行が有効になります。
右の入力欄は正規表現のフラグです。例)
大文字小文字を区別しない場合、「i」
すべて一致の場合「g」
Optionタブ
その他のオプションを設定します

- 完全なファイルの走査を有効(slow)
通常は連番フッテージを読み込んだ時点で、そのフォルダの読込を中止し、次のフォルダに移ります。
このオプションを有効にすると、スキップせず全てのファイルを確認します。非常に遅くなります。
一つのフォルダに複数セットの連番フッテージが入っていない限りオフで大丈夫です - 処理完了時、Stageコンポジションを開く
処理終了後にstageコンポを開きます。 - 処理完了時、撮影台コンポジションを開く
処理終了後に撮影台コンポを開きます。 - 設定値を初期化
GUIで指定した各種設定値をデフォルトに戻します。
ダウンロード
動作確認 Windows11 / AfterEffects 2025 / 日本語版
Imp&Comp v2.50 (2025.08.15) 機能追加、GUI変更、仕様変更、既知のバグ修正
Imp&Comp v2.00 (2025.02.21) 機能追加、既知のバグ修正
Imp&Comp v1.20 (2020.03.01) ファイル名による除外機能追加, インポート時の各種バグ修正
Imp&Comp v2.00 (2025.02.21) 機能追加、既知のバグ修正
Imp&Comp v1.20 (2020.03.01) ファイル名による除外機能追加, インポート時の各種バグ修正
Imp&Comp v1.10 (2018.07.31) インポートの高速化, バグ修正
Imp&Comp v1.00 (2018.06.27) 初版
自己責任でご使用下さい。
バグを見つけたらご連絡いただけると幸いです。
仕様についても疑問やご提案などがあればお気軽にどうぞ。
バグを見つけたらご連絡いただけると幸いです。
仕様についても疑問やご提案などがあればお気軽にどうぞ。